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円形脱毛症に遺伝子が関連 - 新しい治療法に道開く可能性

円形脱毛症(alopecia areata)の発症に8つの遺伝子が関与していることが明らかにされ、英科学誌「Nature(ネイチャー)」7月1日号に掲載された。これらの遺伝子はすでに関節リウマチ(RA)や1型糖尿病などの自己免疫疾患と関連があることがわかっており、多くの研究が実施されていることから、円形脱毛症の新薬の開発が大幅に加速される可能性があると、研究著者である米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク)教授のAngela Christiano氏は述べている。

米国円形脱毛症財団(NAAF)によると、円形脱毛症はよくみられる自己免疫疾患の1つで、米国で500万を超える人が罹患している。脱毛は頭皮の一部分にとどまることもあるが、頭皮全体や、眉およびまつ毛を含め、全身に拡大することもある。女性の受診率が高いため診断数も多いが、罹患率には男女差はないという。

今回の研究では、脱毛症の程度に相関する脱毛症関連遺伝子の数が判明。16個以上の遺伝子(2個で1対)をもつ人は、全身脱毛症になる比率が高いことがわかった。研究グループは、脱毛症の遺伝子は乾癬(かんせん:皮膚細胞が過剰に産生され、乾燥したうろこ状の病変が生じる)や白斑(はくはん:皮膚にあるメラノサイト[色素細胞]が機能しなくなり皮膚の色素が失われる)などの皮膚の自己免疫疾患に関連する遺伝子と同じものであると推測していたが、脱毛症と乾癬に共通する遺伝子は8つのうちわずか1つであったという。

Christiano氏によると、脱毛症患者の毛包(もうほう)内には大量の免疫T細胞がみられ、顕微鏡下では毛包にハチが群がって攻撃しているように見えるという。何がT細胞を引き寄せるのかは不明だが、今回の研究では、8つの遺伝子の1つ、ULBP3が毒性細胞を引き寄せることが示されており、「ULBP3はT細胞に毛包を攻撃するよう合図を送る危険信号である」と同氏は説明している。毛包が攻撃されると毛が抜けるが、T細胞がそのまま残って毛包を休止状態にするため、円形脱毛症が生じるという。

引用元:日本経済新聞 アメリカ健康最前線