毛の成長早める仕組み解明、脱毛治療に応用期待

毛の成長が止まり、生え替わるまでの準備期間(休止期)を保つ遺伝子を産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の研究チームがマウスを使った実験で発見した。

この遺伝子を抑えると、毛の成長が早まることも確認した。人間にも同じ仕組みがあると見られ、脱毛症治療などへの応用が期待される。

毛は、元になる毛包幹細胞が増える成長期、成長が止まる退行期、休止期の3段階を繰り返し、量を維持する。

研究チームは、休止期に存在し、働きの分からなかったたんぱく質「FGF18」に注目。このたんぱく質の遺伝子を持たないようなマウスを作ると、このマウスの休止期は本来3週間以上続くところが1週間に短縮。毛が生え替わるサイクルも通常の半分の3~4週間になった。

引用元:2012年2月3日 読売新聞


円形脱毛症は病気だと認めてほしい!患者会が活動中

円形脱毛=10円ハゲだと思ったら大間違いだ!――声高らかに叫ぶのは、日本円形脱毛症コミュニケーション(JAAC)の面々。“円形”のイメージから10円ハゲを想像しがちだが、頭髪全部が抜けたり、まだら状に抜けたりと円形なんてカワイイものではない場合も。また、睫毛や眉毛、全身の毛が抜けることもあり、一口に円形脱毛症といっても症状はさまざまだ。カツラも高いものは50万円以上もするが保険は適用されないと、JAAC理事長・岡田幸雄氏は嘆く。

「患者さんのほとんどがカツラを使用しますが、数年で傷むので買い替えが必要で、かなり費用がかさむ病気なんです。加えて、国から研究費をもらえていないため、治療の進展も難しいのが現状です」

円形脱毛症という病気の深刻さを国に理解してもらうべく、今まで集めた署名は約1万2000人。

「デリケートな病気ゆえ、患者さんたちもカミングアウトしたくてもできない。余計に病気の実情が世の中に認知されないんですよね」

日刊SPA 円形脱毛症は病気だと認めてほしい!患者会が活動中より引用

円形脱毛症に遺伝子が関連 – 新しい治療法に道開く可能性

円形脱毛症(alopecia areata)の発症に8つの遺伝子が関与していることが明らかにされ、英科学誌「Nature(ネイチャー)」7月1日号に掲載された。これらの遺伝子はすでに関節リウマチ(RA)や1型糖尿病などの自己免疫疾患と関連があることがわかっており、多くの研究が実施されていることから、円形脱毛症の新薬の開発が大幅に加速される可能性があると、研究著者である米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク)教授のAngela
Christiano氏は述べている。
米国円形脱毛症財団(NAAF)によると、円形脱毛症はよくみられる自己免疫疾患の1つで、米国で500万を超える人が罹患している。脱毛は頭皮の一部分にとどまることもあるが、頭皮全体や、眉およびまつ毛を含め、全身に拡大することもある。女性の受診率が高いため診断数も多いが、罹患率には男女差はないという。

今回の研究では、脱毛症の程度に相関する脱毛症関連遺伝子の数が判明。16個以上の遺伝子(2個で1対)をもつ人は、全身脱毛症になる比率が高いことがわかった。研究グループは、脱毛症の遺伝子は乾癬(かんせん:皮膚細胞が過剰に産生され、乾燥したうろこ状の病変が生じる)や白斑(はくはん:皮膚にあるメラノサイト[色素細胞]が機能しなくなり皮膚の色素が失われる)などの皮膚の自己免疫疾患に関連する遺伝子と同じものであると推測していたが、脱毛症と乾癬に共通する遺伝子は8つのうちわずか1つであったという。

Christiano氏によると、脱毛症患者の毛包(もうほう)内には大量の免疫T細胞がみられ、顕微鏡下では毛包にハチが群がって攻撃しているように見えるという。何がT細胞を引き寄せるのかは不明だが、今回の研究では、8つの遺伝子の1つ、ULBP3が毒性細胞を引き寄せることが示されており、「ULBP3はT細胞に毛包を攻撃するよう合図を送る危険信号である」と同氏は説明している。毛包が攻撃されると毛が抜けるが、T細胞がそのまま残って毛包を休止状態にするため、円形脱毛症が生じるという。

日本経済新聞 アメリカ健康最前線より引用

毛の再生、マウスで成功=脱毛症の自己移植治療に応用へ

大人のマウスのひげを作る「毛包(もうほう)」にある幹細胞を採取して培養、増殖させ、毛がない別のマウスの背中に移植して毛を再生させることに、東京理科大の辻孝教授らが世界で初めて成功した。

3月1日から都内で開かれる日本再生医療学会で概要を明らかにし、新技術の詳細は論文にまとめて国際的な科学誌に発表する。

この技術をヒトの脱毛症患者に応用できれば、残った毛髪組織を増やして脱毛部分に自己(自家)移植し、頭髪を再生して長期間維持できると期待される。研究チームは、患者から後頭部の毛髪組織の提供を受けており、辻教授は「早ければ3年後の臨床試験開始を目指したい」と話している。

マウスのひげは体毛より太く、直径が0.05ミリ程度でヒトの毛髪に近い。再生した毛を電子顕微鏡で分析すると、自然の毛と同様に中心に毛髄、周囲に毛皮質があった。さらに自然の毛は生え替わることを繰り返すが、移植後の毛包も3カ月間、21日周期で生え替わりが続いた。

引用元:時事ドットコム

ナローバンドUVBの照射で円形脱毛症が改善

4月24~26日、福岡で行われた、第108回日本皮膚科学会総会で、限定された波長の紫外線、ナローバンドUVB(紫外線B波)を照射する治療で、頭皮の脱毛部分が徐々に広がる円形脱毛症の患者に発毛が認められたという研究結果が二つ、発表された。

ナローバンドUVBは、紫外線の波長のうち、非常に幅の狭い波長を皮膚に照射する光線療法の一種。治療も簡易で、紫外線が引き起こすとされる発ガンに関与する波長は取り除いており、副作用がほとんど認められないという。乾癬(かんせん)、尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの治療にも用いられ、最近ではアトピー性皮膚炎などでも改善したという例が増え、注目されている。

今回、ナローバンドUVBの治療効果について報告したのは、紫外線の皮膚への影響に詳しい、名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学の森田明理教授らのグループと、順天堂大学皮膚科学教室のグループ。

前者の対象は名古屋市立大学医学部付属病院の毛髪外来に通院した30例(男性13人、女性17人)。治療効果は、発毛面積50%以上を有効とした場合、有効率は全体で約4割だった。中でも、罹患期間が1年未満で、脱毛面積が少ないほど有効率が高かった。しかし、罹患期間が長く、ナローバンドUVB以外のステロイド内服といった治療が無効だった7人のうち、1人は発毛が認められたが、6人は認められなかった。

後者の対象は、順天堂大学医学部付属病院の皮膚科外来を訪れた28例(男性13人、女性15人)。このうち、ほとんど発毛がみられなかった9人を除いた19人で発毛が認められた。この研究では、円形脱毛症のナローバンドUVBの照射は、2週間に1度の照射よりも、週に1度の照射が望ましいとしている。

円形脱毛症は、性別を問わずに発生し、”治りにくい”といわれる皮膚疾患の一つ。再発性もあり、治療にはステロイド内服および外用や局所注射、光感受性を高めるソラレンの外用および内服と、UVA(紫外線A波)照射を組合せたPUVA療法などが用いられる。ただ、これらの治療でかゆみや痛みを感じたり、胃腸や肝臓などへの障害が起こる副作用の報告もあるほか、PUVA療法では遮光などの生活の制限も行うため、患者への負担も大きい。
ナローバンドUVBによる治療は、従来の円形脱毛症の治療と比べて副作用の報告なども少ないことから、今後に期待がかかる。

引用元:日経ヘルス 第108回 日本皮膚科学会総会レポート